日本発達神経科学会第14回学術集会 レポート 2025-11-09 活動レポートBlog 日本発達神経科学会第14回学術集会開催日:2025年11月8日(土)・9日(日)会場:東北大学 青葉山東キャンパス サイエンスキャンパスホール大会テーマ:「神経発達研究に基づく多様なこころの理解と包摂」ホームページ:https://jsdn.jp/meeting-information/14th-2025 人間文化研究機構 共創先導プロジェクト(共創促進研究)「コミュニケーション共生科学の創成」は、日本発達神経科学会第14回学術集会との連携により、シンポジウムを開催しました。 シンポジウム1 テーマ:「発達研究と社会実装~ユニバーサル化の実現に向けて~」司会: ・菊澤律子(国立民族学博物館 人類基礎理論研究部 教授) ・筒井健一郎(東北大学 大学院生命科学研究科 教授) 本シンポジウムは、発達研究の成果をどのように社会へ実装し、誰もがアクセスしやすいユニバーサルな環境を構築していくかを主題として開催されました。 冒頭では、プロジェクトの研究代表者である菊澤より趣旨説明が行われ、人間文化研究機構 共創先導プロジェクト「コミュニケーション共生科学の創成」の取り組みを通じ、研究成果を社会に還元し、共生社会を支える科学的基盤を築く意義について説明がありました。 続いて、以下の講演が行われました。なお、本プロジェクトの「脳機能とコミュニケーション研究班」の研究代表者である竹本直也、および「社会における個人の特性研究班」の研究分担者である鈴木あすみの講演も含まれています。・長井志江(東京大学 ニューロインテリジェンス国際研究機構 特任教授) 「多様性の原理を探る:身体性予測情報処理に基づくマルチモーダル協応」・鈴木あすみ(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 脳機能系障害研究部 流動研究員) 「言語データで見る自閉スペクトラム症者のコミュニケーションのかたち:共に生きるための社会実装へ」・竹本直也(国立民族学博物館 人類基礎理論研究部 プロジェクト研究員/株式会社テクリコ 研究開発部) 「失語症等の成人領域の障害における社会実装の現状と課題」・齊藤寛人(東京大学 先端科学技術研究センター 助教) 「当事者参加型デザイン思考によるイノベーション創出の実践」 最後に、司会の菊澤が総括的発言を行い、本シンポジウム前半の発表が分析的視点から支援技術の可能性を論じ、後半の発表が現場実践からの課題を提示したことをまとめました。技術の進歩が進む一方で、人と人とのコミュニケーションにおいては、相手に対する認識や理解の在り方こそが重要であり、開発面のみならず、人への働きかけの視点を持つことが不可欠であると述べられました。 本シンポジウムを通じて、発達研究を軸とした社会実装の多様な可能性が示され、「コミュニケーション共生科学の創成」が目指す共生社会の実現に向けた方向性が明確に打ち出されました。 また、本プロジェクトにおける「社会における個人の特性研究班」の研究分担者である越智景子による、デモ展示「つなぐロボッとみんなとーク」も実施され、ロボットとのコミュニケーション体験が行われています。 本シンポジウムでは、発達神経科学・臨床・工学・デザインなど多様な分野が連携し、研究成果を社会に生かすための実践的アプローチが共有されました。これにより、発達研究を軸とした社会実装の多様な可能性が示され、「コミュニケーション共生科学の創成」プロジェクトが目指す共生社会の実現に向けた学際的な方向性が明確に打ち出されました。